外科
怪我や火傷などの処置・化膿部位の切開、排膿、縫合などの日常生活で起こり得る外傷の治療に限らず、紛瘤摘出、他院で受けた手術創の処置などの外来で行うことができる外科的処置も行っています。患者様の苦痛・負担を最小限に留めることができるよう努めて参ります。何か気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。
主な外科的疾患
切創・挫創
転んで怪我をしてしまった傷、包丁やガラスで切ってしまった傷、飼い犬や飼い猫に嚙まれたり引っかかれた傷は放置しておくと化膿してしまう可能性があります。傷の程度によっては縫合術(縫い合わせる)や抗生物質の投与を要する可能性もあります。当院医師は外科専門医であり、傷に対して適切な対処を行います。
鼠径(そけい)ヘルニア
鼠径部(足の付け根から陰嚢にかけて)の膨隆を認める疾患です。左右一方もしくは両方に認める事もあります。いわゆる“脱腸”と言います。主に小腸がヘルニア内容物となり、脱出や還納を繰り返します。立位で膨隆し、仰臥位(仰向け)で凹む事が特徴的です。出っ張ったまま戻らなくなる状態を嵌頓と言い、長時間放置すると腸管の虚血を来し、緊急手術となってしまう可能性があります。治療はヘルニア嚢(袋)を切除し、ヘルニア門(脱出する入口)をメッシュと呼ばれるシートで塞ぐ手術が行われます。最近では腹腔鏡での手術が多くなっており、小さな傷で手術を受ける事ができます。手術可能な適切な病院をご紹介しますので、鼠経ヘルニアでお困りの方は一度ご相談下さい。
火傷(やけど)
火傷の程度によって治療法は異なり、身体のどの辺りまで広がっているのか、皮膚のどの程度の深さまで進んでいるかを注意深く確認し、可能な限り痕を残さないような治療を行っていきます。
植皮術など高度医療を要すると判断した場合には、適切な病院をご紹介致します。
粉瘤
紛瘤とは、皮膚下に老廃物が溜まってできる袋状の良性腫瘍であり、全身どの箇所にでもできる可能性があります。周辺の皮膚より硬く、半球状の固まりで中心に黒っぽい開口部が見られます。放置することで次第に大きくなり、炎症を起こすことで腫れあがり、痛みを感じるようになると感染性(炎症性)紛瘤となります。この場合は老廃物を取り除くための切開を行う必要があります。
切開法
切開法は、紛瘤の治療の中で最も一般的な手術方法です。感染が起きていない、もしくは感染が軽度の場合の治療法です。紡錘の形に皮膚を切開し、老廃物が溜まった袋をそのまま摘出します。紛瘤が炎症を起こしている場合は原因となっている袋が周辺の皮膚と癒着している場合があり、手術を行っても感染の原因となる袋の摘出が不十分となる事があります。抗生剤治療および切開排膿術を選択する事になります。その場合、後日あらためて根治手術の適応を判断します。当院では基本的には切開法をお勧めしており、外来にて手術の対応も可能です。また、顔面など美容面で問題になる部位の場合や2-3cmを超えるような大きさの粉瘤の場合には適切な医療機関をご紹介致します。
くり抜き法
患部に局所麻酔を行い、その後、中心部に丸い形のメスで3~6mm程度の穴を開け、老廃物を摘出し袋の壁を切除します。一般的にはその後皮膚を縫い合わせますが、皮膚の傷の大きさや部位によっては縫合しない方が痕をきれいに治せる場合もあります。6mm程度の穴を開けた場合の傷は10日~2週間程で塞がり、縫合した場合は手術した5日~1週間で抜糸が可能です。
当院で行っている主な外科的治療
創傷処置、創傷処理
傷を綺麗にした後、縫合などの処置を行います。少ない痛みで、可能な限り傷跡が綺麗に治るような丁寧な処置を行っています。
皮膚切開術
局所麻酔を行った後、皮膚を切開して排膿した箇所を綺麗にします。炎症を起こして化膿し、腫れ・痛みを伴う場合にも局所麻酔を行い、患部を切開して排膿します。
異物摘出術
必要に応じて局所麻酔を行い、皮膚下にある異物を取り除きます。